(校舎だより『FlyingSeeds』5月号より)
家で飼っていたインコが突然死した時は、家族の悲しみに対してだけでなく、私自身が致命的なほど衝撃を受けてしまったことに、うろたえてしまいました。のたうち回る気持ちの波動から、勝手に言葉があふれてきて…
けさ啼かぬ 因(ゆかり)は知らね まなこ閉ず 骸(むくろ)は夜も なおやわらかし
帰り来て 迎えし聲を 覚えども 籠に虚無にあり みよとごとくに
ウクライナ侵攻の為の兵員を確保したいロシアが、召集令状の電子化を決めました。いま日本政府が熱狂的に推し進めているマイナンバーカードのような、各種行政サービスを「便利に」受けられるインターネット上のシステムを使って、令状が届くというものです。
戦時下の日本が実施していた「赤紙」の召集令状を戸別に配布する形式だと、受け取りを拒否する様々な手立てを講じられます。行方をくらますとか、国外へ退去するとか。それに対して、「モスクワの軍事委員会は、招集令状を受け取らない若者らを捜すため、顔を認識する監視カメラを利用」(タス通信)し、またデジタル令状が国民それぞれののアカウントに届けば、その瞬間に出国もできなくしました。締め切り日までに徴兵当局に出頭しないと、自動車の運転や不動産取引など、様々な権利が消滅する、つまり基本的人権を喪失してしまうわけです。徴兵逃れを許さない、強権の発動となりました。
日本政府が前のめりになって推し進める「憲法改正」。この主眼・主目的は9条の改正よりも何よりも、「緊急事態条項」の成立なのです。この条項が成れば、政権に都合の良い国会議員バランスのまま、選挙を停止できます。国会での法律制定といった面倒な手続きを踏まずに閣議決定だけで、法律そのものと同じ効力の政令を乱発できます。ヒトラーが一応の手続きを踏んで成立させた「全権委任法」だって、閣議決定でいともたやすく成立できます。としたらロシアと同じ徴兵体制もあっという間にできあがり、なのです。
「憲法」は世界史の常識からみても、本来王権のような強権を「封じ込める」為に存在するものですが、日本政府は「大日本帝国憲法」以上に無制限の権力を、自分たちにもたらそうとしています。ロシア式デジタル徴兵も成立できます。そのあとのことは、想像してください。
今回の統一地方選挙が日本での最後の選挙だった、なんちゃって。 かなあ…。
「インコから連想したこと」