An die Freude(歓喜に寄す) / Friedrich Schiller(フリードリヒ シラー)

昨日静かに息を引き取った父が生前愛していた、ベートーベン第九交響曲第四楽章「合唱」の歌詞です。
本当は一緒に歌えると一番いいのですが、この素晴らしい歌詞を原語のドイツ語で味わってみてください。

An die Freude / Friedrich Schiller
歓喜に寄す / フリードリヒ・シラー

Freude, schöner Götterfunken,
フロイデ シェーネル ゲッテルフンケン
歓喜よ、美しい神々の火花よ、

Tochter aus Elysium,
トッホテル アウス エリージウム
楽園の娘よ、

Wir betreten feuertrunken,
ビル ベトレーテン フォイエルトゥルンケン
私達は炎のような熱情に酔いしれて、

Himmlische, dein Heiligtum!
ヒムリシェ ダイン ハイリッヒトゥム
天にあるそなたの聖所に入って行く。

Deine Zauber binden wieder,
ダイネ ツァオベル ビンデン ビーデル
そなたの不可思議な力は、

was die Mode streng geteilt;
バス ディー モーデ シュトレン ゲタイルト
世の流れが厳しく切り離したものを再び結び、

alle Menschen werden Brüder,
アーレ メンシェン ベルデン ブリューデル
全ての人々は兄弟となるのだ!

wo dein sanfter Flügel weilt.
ボー ダイン ザンフテル フリューゲル バイルト
その柔らかな翼の憩うそこでは。

運よく父のいまわの際を看取ることができました。 抵抗するように脈打っていた炎がしだいにやわらぎ、ゆったりと静かに消えゆく旋律を目の当たりにしました。こうして何か満たされたような悲しみに得心してみると、「死亡」が確認された後も余韻が連続していて、断絶感がないものなのだなと思いました。