(校舎だより11月号より)
本日10月21日のちょうど80年前、1943(昭和18)年10月21日に、雨のそぼ降る神宮外苑競技場で「出陣学徒壮行会」が行われました。太平洋戦争での日本側の戦況悪化と兵力不足により、大学生や専門学校生6万とも10万ともいわれる若者たちが軍へ動員され、ろくな訓練も経ずに最前線へ送られました。特攻隊に加わった人も多数いたそうです。つまり、その後の日本社会を作っていくはずの膨大な頭脳・身体が喪われたということです。
現在も世界は戦争・紛争だらけです。ロシアのウクライナ侵攻、ハマスとイスラエルの戦闘・ガザ地区の惨劇、アフガニスタンやミャンマーで軍事政権が復活しレジスタンスとの抗争が絶えない。そのほかにも紛争の火種は至る所にある。米国の前政権の時には中東も緊張緩和の方向へ向かっていたのが、現政権へ交代後は堰を切ったように次々と危機的状況が噴出しています。これは偶然なのでしょうか?
米国の与党民主党は各州の軍需産業との繋がりが強いことで有名です。武器商人たちにとってはどこかで戦争が起きれば、広告料無料で全メディアが兵器の性能を実戦場面で宣伝(報道)してくれるし、「供与」と称していくつもの国家を相手に巨大なビジネスを展開できる。世界中で兵器展示のイベントも大盛況。彼らには笑いが止まらぬ状況です。自分でマッチをこすって火をつけ、自分でポンプで水をくみ上げ消火しようとする自作自演劇を文字通り「マッチポンプ」といいますが、これが地球規模で行われていないだろうか。「最も強い言葉で」戦争当事者を非難する「良識ある」国々が、実は背後で戦争の火種をあおっているという「陰謀論」がネットでは盛んに議論されています(テレビ・大手紙では決して取り上げられない)。これを全否定できるでしょうか?否定すれば喜ぶ人々も多いような気がします。
一見、日本は戦争とは無縁な国のようではあります。ですが、一番安全なところにいると安心油断しているものが、実は最重要なターゲットとされていたりするものです。たとえば、
陸上自衛隊高等工科学校の案内が中3生の家庭に届く自治体があるそうです。我が家には届いていないのでこの地域は今のところ対象外かもしれません。平成30年に当時の安倍首相が「新規隊員募集に対し、都道府県の六割以上が協力を拒否している」と不満を顕わにしたことがありました。自衛隊法97条「都道府県知事及び市町村長は、政令で定めるところにより、自衛官及び自衛官候補生の募集に関する事務の一部を行う」とあるので、求めもしない案内が届くのは合法的な業務であるらしい。ところがこのための住民基本台帳のデータを提出している自治体は約36%で、残りの大半はデータの閲覧を可能としているが、これでは協力してくれたとは言えないということのようです。にしても、いくら法律や政令で定められているとしても、軍事的組織に子供たちの個人情報がさらされているのは気色の良い話ではないではありませんか。「マイナンバーカード」の普及を躍起になって進めている目的の一つに、これがあるに違いないと思えます。自治体に協力してもらえなくても”徴兵”適齢期の子女の家庭にいくらでもアクセスできるようにする。最終的にはロシアのように動員できるようにする。そう勘繰らざるを得ません。
TBSドラマ『VIVANT』は見ていないので内容については知りませんが、「自衛隊別班」の超エリート隊員が主人公とのことで、視聴者の関心をその「別班」に集めているようです(往年の「陸軍中野学校」のようなものだろうか?)。思い出したのがプーチン少年のエピソードです。彼は勉強とは無縁でやんちゃだった少年時代にソ連の秘密警察「KGB」のスパイをモデルにした映画に感激し、自分もスパイになろうと、スポーツや学業に励みエリートコースを邁進した。レニングラード大学法学部に合格し、やっと「KGB」からスカウトされて希望通りスパイになりました。その後いろいろあって現在はロシアの大統領。こんな風に、日本の若い世代がエリート部隊に関心を持ってくれれば、喜ぶ人がたくさんいることでしょう。
何か、着々と準備を進められ、様々に有効な手がパチリパチリと打たれている気がしてしょうがありません。いざ、ことが始まってしまえば、コロナの時のように皆が同じ行動をとらざるを得ないように仕向けられます。一人で抵抗すると奇人変人扱いされ非難される。『はだしのゲン』では「非国民」呼ばわりでしたが…。
ともかく、私たちには主権があります。政権を選択することも、国籍を選ぶことも。できるだけ様々な状況を知って、自分の生き方は自分で選択できる、そんな人間に、子供たちが育ってほしいと思います。