まぶるると云う事

また入試の時期が近づいてきました。
受験生たちの表情にも次第に緊張感が色濃く出始めてきています。

こうなってくると、生徒たちから「一体何から手をつけてどんな風に学習を進めたらいいかわからない」という嘆きの声が多く出るよう

になります。

入試得点になる定期テストがあと2回あるのでその対策をしつつも、模試などの復習も必ず行い、
自分の弱点を見つけたら(例えば一次関数とか)、これまで使っていたテキストのその単元に降りて復習する(これを「パラシュート学

習法」と名付けています)、
そうした立体的学習もし始めてください。

全教科全学年全範囲をすべて学習する「ローラー学習」は冬期講習が始まる前に完了しましょう。

隙間すきま時間で単語を覚えるなど。

あとは心と体をしっかりと維持することです。

あなたは決して一人ではありません。

第一には家族、そしてお友達や学校の先生方、さらにはダンデリオンの教室自体が、あなたの味方です。

利用できるものはどんどん利用しつつ、味方のエネルギーももらって、
これから直面する戦いを、むしろ楽しもうという気持ちを持って臨んでください。

私自身、部活ばかりで受験勉強に正面から取り組み始めたのが中3の12月からという異様な遅さで、
ほんとうに何をどうしてよいのか見当がつかなかったのですが、
中1の時に買っていた、剣豪(けんごう)宮本武蔵(みやもとむさし)著の『五輪書(ごりんのしょ)』の次の一節に勇気づけられました。

「まぶるると云(い)うは、敵(てき)我(われ)手近(てぢか)くなって、互いに強くはりあひて、
はかゆかざると見れば、

そのまま敵とひとつにまぶれあいて、

まぶれあいたるそのうちに利を以もって勝つ事」

「互いにわけなくなるやうにして、そのうちの徳とくを得(え)、勝かつをしる事」
(『五輪書』火の巻より)

〔「まぶるる」というのは敵と自分とがぐちゃぐちゃに交錯こうさくしあっている状態だが、

そんな時はそのまま「まぶれ」てしまい、

わけのわからない状態こそ普段以上のパワーが発揮されるチャンスだと知ること。

敵も味方も区別なく一体となり、
その場に発生するエネルギーをいわば御神ごしん徳とくとしてわが身に受け、
逃げずに、

ムキになりとおした者が勝つ、

と知るべき〕。

 具体的にどう取り組んだかはあまり覚えていませんが、
我武者羅(がむしゃら)・無我夢中(むがむちゅう)で努力しまくった感触(かんしょく)だけ、覚えています。

効率(こうりつ)の良し悪(あ)しはさておき、
体力任(まか)せの猛勉強(もうべんきょう)、やり遂(と)げてみましょう!