『世界平和』実現に向けてまじめに考える

5月20日(月)の『東京新聞』1・3面で「世界連邦」構想が紹介されていました。
アニメ『ガンダム』や『宇宙戦艦ヤマト』などの「地球連邦」をまじめに提案しようとでもいうのかな、と思ったら、
はずれではないけれど、
実は第二次大戦終結直後からあった構想だと知って、驚きました。

広島・長崎への原爆投下で核戦争への危機が現実味を帯びる中、
その核兵器の原理を発見してしまったアインシュタイン自身が、
そうした愚行を回避すべく、
湯川秀樹ら世界最高レベルの科学者達とともに提唱したそうです。

そして「憲政の神様」尾崎行雄らが、「世界連邦建設決議案」を、1945(昭和20)年、当時の日本の帝国議会に提出したと。

そこから「世界連邦運動(WFM)」が設立され、世界各国で実現へ向けての地道な活動が始まり(当然日本でも)、今に至っているそうです。

同年に発足した「国際連合」や、翌年公布された「日本国憲法」は習っても、「世界連邦」運動については全く習ったことがありませんでした。
全く、これこそ歴史の「隠匿(いんとく)」としか思えません。

「連邦」とは自治権を持つ複数の国家が連合してさらに大きな共同体になったものです。
アメリカ「合衆」国、ロシア「連邦」、ドイツ「連邦」共和国、スイス「連邦」などがそうです。
小国集合国家といえます。
これを全世界に広げようというのですから、本当に気宇壮大な構想ですし、それぞれの国の独自性や伝統・文化などを重んじたうえで、一国では対応しきれない問題、
例えば貧困、環境破壊、感染症などの地球規模の課題に、共同で対応しようとするわけです。

「国際連合」では特定の大国に特権が与えられていますが、「世界連邦」ではそのような差別や様々な「利権」が生じないことが前提です。
なので、既定の政治権力や国際金融資本、多国籍企業、軍産複合体、メディアなどの有力者たちに支配されないため、
独自の財源作りや国際問題対応活動を、独自のネットワークで展開していると。

そのための4つの柱があるそうです。

  1. 国際連帯税:この制度の導入国から出国する航空チケットに数百円かかる税。エイズ対策等。
  2. 国際司法:国家間の争いを「国際司法裁判所(ICJ)」によって解決する国を増やす。
  3. 国連議員総会:「国連議員選挙」で選ばれた人が出席するもの。「国会議員」でなくてよい。
  4. 国連緊急平和部隊:大規模災害などの有事に即時派遣。世界連邦警察軍的存在へ成長させる。

 日本の「世界連邦運動協会常務理事」塩浜(しおはま)修(おさむ)氏は、もと学習塾経営者、即ち「民間教育者」。
つまり「世界連邦」とは「民衆運動」というわけです、国家権力に対抗する…。