子(し)曰(いわ)く、
譬えば山を為るが如し。未だ成らざること一簣なるも、止むは吾が止むなり。
譬えば地を平らかにするが如し。一簣を覆すと雖も、進むは吾が往くなり。
【大体(だいたい)の意味(いみ)内容(ないよう)】
先生(せんせい)はおっしゃった。
「自ら生きるということについて、
譬えて言うならば山を作るようなものだ。
いまだに完成していないが、実はあと一籠の土を盛れば完成というところまで来ている。
それに気づかず、もう無駄だと決めつけてやめてしまうのは、困難な状況のせいなのではなく、あくまでも自分の責任なのだ。
譬えて言うならば、荒れ地を平らかにするようなものだ。
たった一籠の土をまいたにすぎなくとも、そうやって実行することは、
確かに吾が往く道を見出して、自ら生きていると言えるのである。」
【お話】
いま『陸王』というテレビドラマが注目されており、私もハマっています。
足袋屋さんがマラソンシューズ作りに挑戦し、何度も、何十回何百回も失敗します。
成功しても競合する大組織の妨害を受けたり不運にも見舞われたりして滅びの危機に瀕しますが、
それでもあきらめの悪い社長や社員たちは打ちのめされるごとに逆に強くなって立ち上がります。
私自身もこれまでの人生を振り返ってみると、失敗することもあれば大失敗することもあり、
ほとんど「成功」とは縁のない年月を送ってきている気がします。
成功したことがあるにしても、あまりにも失敗だらけなので、警戒する癖がついています。
途中であきらめてやめてしまったケースも少なくありません。
それを環境のせいにしたり、他者からの不当な扱いのせいにしたり、
要するに自己責任を回避しようとする自分がいました。
しかしやはり、すべては自分の責任なのです。
逆に何ほどの効果も認められないような小さな努力でも、自分の意志と力で遂行するならば、
自ら生きていることになる。
人から「無駄」と言われることでも無意味ではない。
止まらずに進むことが大事です。
本気(マジ)で努力し、必死(ガチ)で挑戦すれば、
そのこと自体が楽しくなります。
ワクワクしてきます。