子(し)曰(いわ)く、賢(けん)を見(み)ては斉(ひと)しからんことを思(おも)い、不賢(ふけん)を見(み)ては内(うち)に自(みずか)ら省(かえりみ)るなり。
君子(くんし)は言(げん)に訥(とつ)にして、行(こう)に敏(びん)ならんことを欲(ほっ)す。
【大体(だいたい)の意味(いみ)内容(ないよう)】先生(せんせい)はおっしゃった。「才能(さいのう)や仁徳(じんとく)に優(すぐ)れた人(ひと)を見(み)ると、自分(じぶん)もあのとおりになりたいと思(おも)い、くだらない人(ひと)を見(み)ると、自分(じぶん)もああなのではないかと反省(はんせい)すべきである。
立派(りっぱ)なリーダーは、話(はなし)をするのはうまくなくても、行動(こうどう)は俊敏(しゅんびん)でありたいと願(ねが)うものだ。他人(たにん)に仕事(しごと)を押(お)し付(つ)ける前(まえ)に、自分(じぶん)が率先(そっせん)して面倒(めんどう)なことに取(と)り組(く)む人(ひと)である。」
【お話】やたらと他人を「バカ」呼ばわりするのはやめましょう。どうしても気になっていますし、ものすごい違和感(いわかん)を覚えます。一体、自分を何(なに)様(さま)だと思っているのでしょう。だれにでも長所があり、短所もあります。よいところ・素晴らしいところを見つけて、それに倣(なら)いましょう。よくないところ・残念なところが目についたら、実は同じ欠点を自分も持っているから、それに気づいたのかもしれない、「あの人のいやなところは、自分のいやなところなのかもしれない」と反省しましょう。
テストの成績がよい人が、人格的にも素晴らしい人だとは限りません。
成績の低い人が、くだらない人間だというわけでもありません。テストで良い成績を取る才能とは違った種類の才能を持ってしまっているから、学校の成績がよくないだけかもしれないのです。
人の能力はいろんな面で発揮されます。テストで得点できる力、だけで人を見るのは、あまりにも狭い考え方です。
すぐに結果を出せる人もいれば、ゆっくり時間をかけて才能を発揮する人もいます。みなそれぞれですが、だれもが共通してなれる「天才」があります。それは、
「努力の天才」になることです。
だれだってなることはできるのですが、一番難しい才能です。イチローも大谷翔平も本田圭佑も、「努力の天才」です。
努力の天才は最高の天才ですし、美しいし、素晴らしいのです。