「わあ、本荘くん!」「え、本荘!?」「まあくんだ!」
約半世紀ぶりに会う中3時代の同級生たち。無残に変わった奴もいれば、ほぼあの頃のまま、むしろ美しくなった女性たちもいる。あの大雪の衆議院選挙の日に行われた同窓会。街も雪で風景が一変する中、私たちにとっても時空変革(トランスフォーメーション)が起きたような忘れられない一日となりました。
一月末に塾へ一本のメールが入りました。「柏四中3年6組(以下女子個人名)」
は?何が起きた? 椅子からずり落ちそうな衝撃を受け、開いてみると、同窓会の連絡です。いや待て、詐欺か?フィッシングか? 慎重に読んでみると、確かに本人でなければ知りえない内容。嬉しい気持ちも素直に表しながらどうやってこのアドレスを知ったか確認すると、ネットで私の名を検索し、ダンデリオンにたどり着いたのだと。スゲー調査力。既に十数名出席予定でリストを見ても思い出せない人がいる。やばい。ともかく唯一、予定も仕事もない日だったのですぐに「参加します」と返信し、それから懸命に「復習」を開始しました。
卒業アルバムで顔と名前は照合。少しずつ記憶がよみがえってくる。中1からつけていた日記も引っ張り出して読み返してみました。するとまるで脳ミソの栓が抜けたみたいに次から次へと様々な記憶がもれ出てくる。書いてないことまでわらわらと目の前によみがえり、時空の流れが歪んでまるで半世紀前の時のほとりがこちらへ近づいてくるような日々となりました。本当にやばい、今度は塾の仕事が手につかなくなってくる。
「東葛地区」駅伝大会の選手候補として部活終了後も走り込む日々だったのが、腰のけがに見舞われマネージャー業務に回る。自殺を考えるほど悔しさにのたうち回る。振ってしまった形の後輩への想いが募る。無様な自分に比べテニス部の彼女がどんどん輝いていくと。呆れるほど細かく書いていました。また書いてあるのにどうしても思い出せないこともたくさんあります。かなりインパクト強いはずのシーンを克明に描写しているのに、全く思い出せない。こんなことってあるのか?「バカかお前は!」と自分をけり殺してやりたい場面もあれど半世紀前ではどもならん…
ちょっと危険かもしれない気持ちの渦に耐えて同窓会当日を迎え、実際連中に会って童心に返り、ようやく浄化された格好でした。まだ日記は読み終わってませんが、スキ間時間に未知のストーリーを楽しんでいます。ぜんたい、人間の記憶とは不可思議なものです、いやはや…
