全力で「時代に逆行」しまーす!

 今年度から川口市内の公立中学校英語の授業で「5(ファイブ)ラウンドシステム」が始まりました。横浜市の公立中高一貫校から始まり、全国に拡大しつつある授業法ですが、これは言語教育のあるべき姿に向かっている画期的学習法と思われます。
 一口で言えば、教科書1冊を、1年間で5周する。リスニングや音読を中心に、ストーリーをイメージし把握して、身体に染(し)み込(こ)ませるようにインプット。そして自然に音声や文字でもアウトプットできるようにすることを狙いとします。その過程で文法も“感覚的に”体得し、自己表現の手段として活用できるようにしようというものです。
 拍手喝采したい素晴らしい指導法です。これは何より、かつて我が国の寺子屋で行われていた「素読」と同じ原理です。
 “言葉”は何より“音”ですから、一連の言葉の連なりとか文章とかは、情報であると同時に音楽です。「情報」という字義そのままに、「情(こころ)」を「報(しら)」せるもの。だからまずは音をシャワーのように浴びて、どのような情(こころ)が伝わってくるかイメージし、自分も音読することで、何かカッコいい感じ、楽しい感じ、物哀しい感じを醸(かも)し出す。
 実際の文意とはずれていても、先ずはそれでいい。後に本当の文意を知って、その後の言語表現の仕方への工夫につながるわけです。
 さてそのような状況にあって、ダンデリオンでの英語指導はどうしているかと言いますと、実は安心して「旧態依然」の文法学習をさせています。
 集団型個別指導形態による制約だけが理由ではありません。
 生徒たちは学校では楽しく英語の授業を受けていますが、同時に文法的な構造とか、類義語間の違いなどを認識したい欲求も、かれらのなかで生じているのです。無意識に、脳のほうでそうしたストレスを感じるわけです。ですから“塾”ではそうした“飢え”を満たす知的活動に軸足を置いています。
 「be動詞と一般動詞とはどのような対比関係にあるか」「一人称、二人称、三人称はどのような世界観を反映するか」「不定詞は未来志向で動名詞は現在進行」など、各文法の成立原理を解明し、辞書を引いて単語研究をします。

 つまり、全力で「時代に逆行」しているわけです。しかしこうすることで、バランスもとれているのではないかと。
 実際、以前よりも「文法への拒絶感」が生徒たちの間で減りました(気がします)。集中して文法問題演習に、取り組んでくれています(ように見えます)!